孔明が死んだ以上、もう何も心配することなんてない。これからはボクの時代だ。ボクの邪魔をする人間には裁きの鉄槌を与えてやる。見てろ・・・・、この呪われた血脈と因習に、ボクは必ず勝ってみせる。

肖像について
 曹叡のイメージは孤独と煩悶、謀略と復讐でした。しかし、残念乍ら拙いわたしの力では、それらを表現するにあまりにも力が足りません。結果、左のようなイラストとなりました。背景は・・・わかる人にはわかると思いますが、とてもナンセンスですね。
 ちなみに、最近のキャラクターは全員、画像の上にマウスカーソルを合わせると、ちょっとだけメッセージが表示されます。一応各キャラクターごとに、イラストに応じた固有のメッセージを割り当てていますので、良かったら見てやって下さい。

能力値について
 人望は高いかもしれませんが、彼の良い面だけを考えて高く設定しました。史実では一部暗君の最低条件も達成している人物ですが、それらの行為が彼の本質であったとはどうしても思えないからです。

原画はこちら

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生没年 205 239 出身地 -----
職歴 戦歴

 人物データは後日掲載します。

 三国志に登場する人物の中で、今の私たちにも最もその内面を理解し易い人物は、この曹叡ではないでしょうか。謀略により母を失い、母を謀殺した父と皇后によって育てられる・・・幼い日の曹叡の心の内の煩悶はどれほどのものであったでしょう。想像に難くありません。「陛下が母親を殺されました。子を殺すなんて、ボクにはできません・・」曹丕に泣きながら訴えた彼の心の深い傷を思うと心が痛みます。

 曹叡には心から接し会える人間がいなかったのかもしれません。彼が最も信頼した司馬懿は、実際は政権簒奪の機会を狙っていただけで、言うなれば彼を利用していただけでした。無理な宮殿造営や無体な皇后への賜死にも朝廷の官たちは誰一人彼を諫めようとはせず、曹叡はあたかも孤独な独裁者のようでした。しかし、そんな彼も未亡人、独り者の老人、孤児らに穀物を下賜するような優しい一面を時折見せます。それらは孤独な幼少時代を送った曹叡の、過去に対する仕返しであり、また償いであったのかもしれません。

 曹叡は独裁の末に多くの人間を殺してしまいます。その結果、彼は自分のしてしまった残虐な行為とそれを行った自分自身に対する恐怖から病の床に着いてしまいます。眠る彼の瞼の裏には殺した宮人や皇后の姿が現れ、命を返せと彼に迫ったと伝えられています。彼の病は一行に好転に向かわず、結果三十六歳という若い身空で命果ててしまいます。その臨終の時、彼は息子の曹芳と司馬懿を呼び、司馬懿に後事を託すと息子の手を取って寝台の側に来るように命じます。しかし、曹芳は司馬懿の首に抱きつき、曹叡の側に近づこうとはしませんでした。やがて意識は薄れていき、曹芳の方に手を差し伸べて指さしつつ、そのまま息絶えてしまいます。父親に母親を殺され、自らも皇后を殺した曹叡。結果的に自らの子供にまで、自分と同じ宿命を背負わせてしまった彼の最期は、本作品で、最も鬼気迫る描写といっても良いのではないでしょうか。

 今回はとても真面目な解説だったので、とても疲れました・・・。


関連人物

説明
曹丕子桓 魏の初代皇帝。なぜか部下に優しく家族に冷たい。
郭貴妃 曹叡の人格形成上大きな影響を与えた美女。曹叡周辺の話はどうも三国志っぽくない気が・・。
司馬懿仲達 怖いお爺さんなのに、なぜか小さい子供にはなつかれる不思議な老人。張昭と対照的。
曹芳蘭卿 曹叡の太子。しかし彼の子ではないという。任城王曹楷の子か。